握手

始まりは握手だった。
「じゃ、よろしくお願いします。」と言って彼は右手を差し出した。「なんだかちょっとキザ?それとも熱血?」と半分あきれ、半分照れながら私も右手を出した。
握手。
あれから7ヵ月。別れも握手だった。
「今日で最後だから、ちゃんと挨拶します。」と彼は言った。
「頑張って下さい!」と言われ「お世話になりました。」と言うのが精一杯だった。
言い尽くせないほど感謝してるのに。
新天地は業績優秀な所。おそらくは出世コースだろう。
たくさんの思いを込めて、最後に握手した。
店長、本当にありがとう。どうかお元気で・・・。